人影の石, 広島平和記念資料館にある展示物
「人影の石」は、旧住友銀行の石段の一部で、広島平和記念資料館に所蔵されています。表面には人が座っていた部分が暗く残り、周囲の石は爆発の熱で色が抜けています。
1945年8月6日午前8時15分、原子爆弾が260メートル先で爆発し、その熱で石の表面が一瞬で色あせました。人の体が熱線を遮ったため、その部分だけ元の色が残り、影のような跡ができました。
この石の断片は、旧住友銀行の入口にあったもので、ある普通の朝、そこで誰かが待っていました。今日、この遺品は、犠牲者の一人ひとりの背後に、一瞬で途切れた日常があったことを来館者に伝えています。
この展示品は、平和記念資料館内のガラスの向こうにあり、来館者は間近で見ることができます。保存のための処置は1975年に始まり、この跡を後世に伝えています。
科学分析により、この影は極めて強い熱放射によって石の化学構造が変化してできたことが分かっています。人の体が盾の役割を果たし、その場所では元の成分が保たれました。