勝沼氏館, 甲州市にある中世の要塞住宅跡
勝沼氏館跡は、甲州市にある中世の要塞跡で、氷川川を見下ろす河岸段丘、標高418メートルに位置しています。敷地は北側と東側が土塁と堀で囲まれており、約23棟の建物跡が残っています。工房、居住区、給水設備の跡が見られます。
この館は、1600年代初めに滅亡するまで武田氏に仕えた勝沼氏のものでした。勝沼氏は武田信玄を裏切ったとされ、その結果、館は廃れて放棄され、最終的に破壊されました。
この館跡からは、勝沼氏の暮らしや仕事の様子がうかがえます。発掘された基礎から、工房や居住区域の痕跡が見られます。出土した中国の陶磁器は、一族が裕福で、遠く離れた交易網とつながりがあったことを示しています。
訪問時には、復元された門と元の石造りの基礎を見ることができ、建物の配置を説明する案内板があります。敷地内は歩きやすく、案内表示も良く、全体の構造を把握できる展望ポイントもあります。
この遺跡からは金精錬の痕跡が見つかっており、工房跡からは金属の残留物を含む溶解容器が出土しました。この発見は、一族が地主や軍事的な家臣としての役割に加えて、価値の高い商業工芸に携わっていたことを示唆しています。